この記事では、アクリル板の色や価格の違い、用途に応じた選び方を、画像・価格例つきでわかりやすく解説します。
こんにちは。共栄化学工業株式会社です。
アクリル板は透明や乳白だけでなく、カラータイプも豊富にあり、実際に100種類以上の色があります。
しかし、初めての方にとっては、
-
「どの板を選べばいいのか分からない」
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「価格差が大きいって本当?」
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「用途に合った板種が知りたい」
という声を多くいただきます。
今回は、押出板とキャスト板の違いや、色味・価格・用途に応じた選定のコツを、事例とともにわかりやすく解説します。
アクリル板のカラー選び|キャストと押出の違いと選定ポイント
アクリル板の製法には2種類ある
アクリル板には「押出製法」と「キャスト製法」の2つがあり、見た目や加工適性、価格などに大きな違いがあります。
キャスト製法 | 押出製法 | |
---|---|---|
製法 | 液状樹脂(モノマー)を型に流し込み硬化(成形後切断) | 樹脂チップを熱で押し出して連続成形 |
発色・光沢 | 発色が鮮やかで、光沢も強い | 色味はやや淡め、光沢も控えめ |
板の価格 | やや高価(押出の1.5〜2倍) | 安価でコストパフォーマンスが高い |
入手性・納期 | カラー展開は多いが、カラーや厚みによって在庫が限られることあり | カラー展開は少ないが、標準カラーは在庫が豊富で納期も早い |
同じ色名でも色の印象が違う
押出板はコストパフォーマンスに優れているため、多くの方がまずは押出板を検討されます。
しかし、押出板はキャスト板に比べてカラーの種類が少なく、発色もやや控えめです。
例えば「蛍光グリーン」や「蛍光ピンク」でも、製法によって色の印象がかなり変わります。
キャスト板の蛍光グリーン![]() |
押出板の蛍光グリーン ![]() |
キャスト板の蛍光ピンク![]() |
押出板の蛍光ピンク![]() |
このように、写真で確認しても色の印象がかなり違うことがわかるかと思います。
この色の差から、押出板ではなく色彩の鮮やかなキャスト板を選択する必要が出る場合などがあります。
「同じ色名なのに、見た目が違う…」という失敗を避けるには、サンプルの確認や事前相談が効果的です。
価格差にも注目
板種 | 商品名 | 厚み | サイズ | 販売価格(税抜) |
---|---|---|---|---|
キャスト板 | カナセライトSD1305 | 2㎜ | 1300×1100mm(定尺) | 9500円 |
押出板 | コモグラス145K | 2㎜ | 1300×1100mm(定尺) | 5500円 |
表の価格は2025年7月時点での参考価格となります。
価格については、一般的にキャスト板の方が1.5〜2倍程度高価です。
そのため、キャスト板・押出板のどちらを使用するかで材料の時点でコストがかなり変わってきます。
「色味よりもコストを重視」「色味の変更余地がある」場合などは、希望色のアクリルをキャスト板・押出板の両方から何点かピックアップして価格を確認していただくことがポイントとなります。
鮮やかな色味でコストを可能な限り抑えたい場合は、カナセライト以外の銘柄のキャスト板も取り扱いありますのでご相談ください。
用途別|押出板とキャスト板の選び方ポイント
アクリル板を「カラーの見た目」だけで選ぶなら、発色が鮮やかで色の種類も豊富なキャスト板がおすすめです。
ただし、加工や使用環境に応じて選ぶべき板種は変わります。
👇 加工・用途別のおすすめ例
-
接着加工が必要な場合
→ 押出板の方が接着強度に優れ、きれいに仕上がります。 -
彫刻・刻印加工がある場合
→ キャスト板の方が彫刻がシャープに入り、見た目もくっきりします。 -
屋外で使用する場合
→ キャスト板が熱や紫外線に強く、長期使用に適しています。 -
色味だけで判断したい場合
→ 淡い色は押出板/鮮やかな色はキャスト板がおすすめです。
アクリルに加工を施す必要がある場合、板の種類によって得意・不得意が異なります。
また、使用場所や仕上がりの見た目によっても最適な板種は異なるため、一概には言い切れないのが実情です。
迷った場合は、ご希望の用途や仕上がりイメージを教えていただければ、最適な板種をご提案いたします。
よくあるご質問(Q&A)
1枚から販売可能ですか?
→ はい、可能です。
一部製品については生産制限や出荷制限があるため、1枚の販売が難しい場合があります。まずはお気軽にお問い合わせください。
カットや端面の加工も可能ですか?
→ 可能です。
加工内容によって価格が変わりますので、仕様をお知らせいただければお見積もりいたします。
送料はかかりますか?
→ 地域や購入枚数によって異なります。
お見積もり時に合わせて送料をご案内いたします。
共栄化学工業でのカラー板対応について
当社では、以下のようなカラー板加工のご相談に対応しています
- 色目の比較・ご提案(キャストと押出のサンプル比較)
- 小ロットでのカラー板加工(1点から対応)
- 廃盤カラーの代替提案や色合わせのご相談
また、以下のページにて当社でよく使用するカラー板の色見本をご覧いただけます
主な取扱メーカー:
まとめ|色目と価格のバランスを考えて選びましょう
- キャスト板は発色・種類が豊富で高級感あり
- 押出板は安価だが色数・発色に制限あり
- 価格と見た目のバランスを考えて選定が重要
- 実物の発色差に注意し、事前確認が安心です
共栄化学工業では、お客様のご要望に応じた板材のご提案と加工を、1枚から丁寧に対応いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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